臥して思ひ起きて眺むる春雨に
花の下紐いかに解くらん
- 歌の意味
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臥しては思い、起きては眺めるこの春雨に、花の下紐はどのようにほどけていくのだろう。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 84
詞書「題しらず」
桜の一連の六首目である。降り続く春雨のあいだ、蕾がどうなっているかを気にかける心を詠む。詞書は「題しらず」で、詠作の事情は伝わっていない。
作者は「よみ人しらず」とあり、人名は伝わっていない。
場面は春雨の降るころ、場所は特定されない。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句
二句「臥して思ひ起きて眺むる」は、横になっては思い、起きては眺める、の意である。二つの動作を対にして並べることで、落ち着かずくり返す一日が示される。
三句「春雨に」は、この春雨のもとで、の意である。第六十四首の「春の眺め」と同じく、長雨と物思いが重なる場面である。
四句「花の下紐」の「下紐」は衣の下に結ぶ紐で、それが解けることは、和歌では思いが通じることや心のうちが表れることを表す。ここでは花の蕾がほころぶことをその紐に喩えている。
結句「いかに解くらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、どのようにほどけているのだろう、と結ぶ。目に見えない蕾の内側の変化を推し量る形である。
恋の語である「下紐解く」を花に転用しており、待つ心が恋の待ち方に近づけて詠まれている。
したひも:衣の下に結ぶ紐。解けることは思いが通じる徴とされた
ふす:横になる。臥せる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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