- 歌の意味
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葛城の高間の桜が咲いたことだ。立田の奥にかかっている、あの白雲よ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 87
詞書「和歌所にて歌つかうまつりしに春の歌とてよめる」
桜の一連の九首目である。遠くに見える白雲を桜と見て取る。詞書によれば和歌所で歌を詠み進めた折の春の歌である。
作者の寂蓮法師は本巻では第五十八首に続く二度目の登場となる。藤原俊成の甥で養子となり、のちに出家した。
場面は桜の咲くころ、場所は大和国の葛城山の高間の峰と、そこから望まれる立田の奥である。高間は葛城山の高い峰をいう。
直接の契機は和歌所での詠進である。
初句「葛城や」は地名に詠嘆の間投助詞を添えた形で、第七十四首の雅経歌と同じ山を掲げる。
二句
三句「高間の桜咲きにけり」の「けり」は詠嘆で、咲いたのだなあ、という気づきを表す。ただし実際に花を見たわけではない。
四句
五句「立田の奥にかかる白雲」が、その判断の根拠である。白く見えるものを桜と見て取るのは古くからの見立てで、第九十首
第九十一首でも同じ趣向が続く。
結句が体言止めであり、根拠にあたる景を最後に置く倒置になっている。第二十六首
第二十七首と同じく、推し量りを先に述べて根拠を後に示す構成である。
葛城
高間
立田と大和の地名を三つ重ね、視線を遠くへ運んでいく。地名の連なりそのものが距離を作り出している。
たかま:葛城山の高い峰
おく:奥深いところ。山の奥
- 作者
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寂蓮法師
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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