- 歌の意味
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白雲の上に春は重ねて、立田山の小倉の峰に花が咲き匂っているらしい。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 91
詞書「百首歌たてまつりし時」
桜の一連の十三首目である。前歌に続いて白雲と桜を重ねる。詞書の「百首歌たてまつりし時」は正治二年の正治初度百首を指す。
作者の藤原定家は本巻では第三十八首
第四十首
第四十四首
第六十三首に続く五度目の登場となる。
場面は桜の咲くころ、場所は大和国の立田山と、その一峰である小倉の峰である。
直接の契機は百首歌の詠進である。
初句「白雲の」で、まず実際の雲が示される。二句「春は重ねて」は、その白雲の上にさらに春が白を重ねる、の意である。雲と花という二種類の白が層をなす。
三句「立田山」で場所が定まる。立田は第八十五首
第九十首と続いてきた土地で、三首が同じ山を舞台としている。
四句「小倉の峰に」の小倉は、紅葉の名所として秋の歌に多く詠まれてきた地である。そこに春の花を置くことで、季節を入れ替えた見方が示される。
結句「花匂ふらし」の「らし」は根拠に基づく推定の助動詞で、その根拠は初句の白雲である。第二首の後鳥羽院歌、第二十六首の秀能歌と同じ推定の型が用いられている。
白の重なり、地名の付け替え、根拠からの推定という三つの操作が一首に収められており、技巧を積み上げる定家の作り方がよく表れている。
かさぬ:上に重ねる
をぐらのみね:立田山の一峰。紅葉の名所として知られた
らし:根拠に基づく推定を表す助動詞
- 作者
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藤原定家
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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