- 歌の意味
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朝日の光に照り映える山の桜の花は、素知らぬ顔で消え残った雪かと見えることだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 98
詞書は前の歌に続き「千五百番歌合に」
巻第一
春歌上を結ぶ歌である。朝日に照らされた桜を、消え残った雪と見紛う。原文では詞書が改めて記されていない。
作者の藤原有家は本巻では第五十三首
第七十五首に続く三度目の登場となる。『新古今和歌集』の撰者の一人である。
場面は春の朝、場所は桜の咲く山である。
直接の契機は歌合への出詠である。
初句「朝日影」の「影」は光のことである。第四十四首
第四十五首でも同じ意味で用いられた語で、ここでは朝日の光をいう。
二句「匂へる」は、色がつややかに照り映える意である。第四十一首の頼通歌と同じく、視覚の語として用いられている。
三句「桜花」で対象が定まる。
四句「つれなく消えぬ」の「つれなし」は素知らぬさま、「ぬ」は打消の助動詞の連体形で、消えないでいる雪、の意になる。「つれなく」は第十首の国信歌が残雪について用いた語であり、そこでは草の芽に構わず残る雪であった。
結句「雪かとぞ見る」は「ぞ」の係り結びで、「見る」の連体形が結びとなる。本巻は雪の中に春を探す歌から始まり、雪と花を見分けがたいものとして扱う歌を重ねてきたが、最後は花を雪と見紛うところで閉じられる。第十九首が雪を花と見よと命じ、第二十二首が見分けられないと戸惑い、第二十八首が花とは言うまいと拒んだ流れを受け、ここでは花のほうが雪に見える。見立ての向きが反転した形で巻が結ばれている。
あさひかげ:朝日の光。「かげ」は光の意
にほふ:色がつややかに照り映える
つれなし:素知らぬさまである
- 作者
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藤原有家
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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