山桜散りてみ雪にまがひなば
いづれか花と春に問はなん
- 歌の意味
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山桜が散って深雪と紛らわしくなったなら、どちらが花かと春に尋ねてほしい。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 107
詞書は前の歌に続き「題しらず」
ここから散る花を詠む歌に移る。この歌は散った桜と雪の見分けがつかなくなることを想定し、その判定を春に委ねる。詞書は前歌に続いて「題しらず」である。
作者の伊勢は宇多天皇の女御温子に仕えた歌人である。巻第一では第六十五首に現れた。第三十九首の中務は伊勢の娘である。
場面は桜の散るころ、場所は山である。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句
二句「山桜散りてみ雪に」の「み雪」の「み」は接頭語で、深く降り積もった雪をいう。散った花びらと積もった雪が地上で並ぶ場面である。
三句「まがひなば」の「まがふ」は入り混じって見分けがつかなくなる意、「なば」は完了の未然形に仮定の「ば」が付いた形で、そうなったならば、の意になる。まだそうなっていない段階からの想定である。
四句「いづれか花と」は、どちらが花かと、の意である。第百二首の師実歌と同じ言い方であるが、そちらが雲と花、こちらが雪と花である。巻第一以来くり返されてきた見分けの主題が、巻第二でも続いている。
結句「春に問はなん」の「なん」は他に対する願望を表す終助詞で、春に尋ねてほしい、の意になる。判定者として季節そのものを立てるところにこの歌の趣向がある。人には判じがたいことを、春という当事者に委ねる形である。
みゆき:深く降り積もった雪。「み」は接頭語
まがふ:入り混じって見分けがつかなくなる
なむ:他に対する願望を表す終助詞
- 作者
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伊勢
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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