散り散らずおぼつかなきは春霞
たなびく山の桜なりけり
- 歌の意味
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散ったか散らないか、はっきりしないのは、春霞のたなびく山の桜であったのだ。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 115
詞書「花歌よみ侍りけるに」
遠くの桜が霞に隔てられて様子のわからないことを詠む。詞書によれば花の歌として詠まれた。
作者の祝部成仲(一〇九九〜一一九一)は日吉社の神職を務めた人物である。
場面は桜の散るころ、場所は霞のかかる遠い山である。
直接の契機は花の歌の詠出である。
初句「散り散らず」は、散ったか散らないか、の意で、肯定と否定を並べて不明であることを示す。巻第一の第九十五首の慈円歌も同じ初句であり、そちらは人が訪ねて来ないことを理由とするのに対し、この歌は霞に隔てられていることを理由とする。同じ言い方が別の事情に用いられている。
二句「おぼつかなきは」の「おぼつかなし」は、はっきりしない、気がかりだ、の意である。
三句「春霞」で不明の原因が示される。
四句「たなびく山の」は霞のたなびく山である。第百二首
第百三首と同じく、霞や雲に隔てられた遠望が主題となっている。
結句「桜なりけり」の「けり」は詠嘆で、気がかりの正体はそれであったのだな、という気づきを示す。何が気がかりかを先に述べ、その中身を結句で明かす構成である。
おぼつかなし:はっきりしない。気がかりである
たなびく:横に長く引く
- 作者
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祝部成仲
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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