山桜花の下風吹きにけり
木のもとごとの雪のむらぎえ
- 歌の意味
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山桜の、花の下を吹く風が吹いたのだった。木の根元ごとに、まだらに消え残る雪のような花びらよ。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 118
詞書「花見侍りける人にさそはれてよみ侍りける」
人に誘われて花見に出た折の歌である。散り敷いた花びらを、まだらに消え残る雪に見立てる。
作者の康資王母は伊勢大輔の娘で、父は高階成順である。巻第一では第五十首に現れた。
場面は桜の散るころ、場所は桜の木の下である。
直接の契機は、人に誘われて花見に出たことである。
初句
二句「山桜花の下風」の「下風」は木の下を吹く風である。花を散らす働き手として最初に置かれる。
三句「吹きにけり」の「けり」は詠嘆で、風が吹いたのだなという気づきを示す。風そのものは見えず、散った結果から判断している。
四句「木のもとごとの」は、木の根元ごとに、の意である。「ごと」を用いることで、一本ではなく林全体に同じ景が広がっていることが示される。
結句「雪のむらぎえ」は体言止めである。「むらぎえ」はまだらに消え残ることをいい、巻第一の第十三首
第七十六首でも用いられた語である。そこでは実際の残雪であったが、ここでは散り敷いた花びらの見立てとして用いられている。同じ語が実景から見立てへ転じている。
巻第一の第五十首で作者は梅の香をもつ雪を詠んだが、こちらは雪に見える花であり、雪と花の関係が逆になっている。
したかぜ:木の下を吹く風
むらぎえ:雪などがまだらに消え残ること
- 作者
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康資王母
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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