雁がねの帰るは風や誘ふらん
過ぎ行く峰の花も残らぬ
- 歌の意味
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雁が帰っていくのは風が誘うのだろうか。通り過ぎていく峰には花も残っていない。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 120
詞書は前の歌に続き「題しらず」
散る花に帰雁を取り合わせる。原文では詞書も作者名も改めて記されておらず、前の歌と同じ作者が続くことを示している。
作者は前歌に続いて源重之である。
場面は桜の散るころ、場所は雁の飛び越えていく峰である。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句
二句「雁がねの帰るは」は、雁が北へ帰っていくのは、の意である。「かりがね」は雁の鳴き声、また雁そのものをいう。
二句「風や」の「や」は疑問の係助詞で、結句の「らん」に係る。
三句「誘ふらん」の「らん」は現在推量の助動詞である。雁が去るのは風に誘われてのことか、と原因を推し量る。
四句「過ぎ行く峰の」は、雁が飛び越えていく峰、の意である。
結句「花も残らぬ」は打消の連体形で言い切る。同じ風が花を散らし、雁を誘っているという理屈になり、花の不在と鳥の不在が一つの原因に帰される。巻第一では第五十八首から第六十二首にかけて帰雁の一連が置かれていたが、そこでは花との取り合わせはなく、この歌で両者が結ばれている。
かりがね:雁の鳴き声。また雁そのもの
さそふ:誘い出す。連れ立たせる
- 作者
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源重之
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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