山深み杉のむら立ち見えぬまで
尾の上の風に花の散るかな
- 歌の意味
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山が深いので、杉の群れ立つ姿も見えなくなるほどに、峰の風によって花が散っていることだ。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 122
詞書「見山花といへる心を」
ここから、散る花が視界を覆うほどであることを詠む歌が二首続く。詞書の「見山花」は、山の花を見る、の意である。
作者の「大納言経信」は源経信(一〇一六〜一〇九七)である。大納言に至り、和歌のほか漢詩
管絃にも通じたことで知られる。巻第一の第四十三首の作者である源俊頼は子にあたる。
場面は桜の散るころ、場所は深い山である。
直接の契機は「見山花」の題による詠である。
初句「山深み」は、山が深いので、の意で、形容詞の語幹に「み」が付いて原因を表す。巻第一の第三首の式子内親王歌、第二十四首の越前歌と同じ初句であり、本集の春歌でくり返される語法である。
二句「杉のむら立ち」は、杉が群がって立っているさまをいう。常緑の濃い緑が、隠される対象として置かれる。
三句「見えぬまで」は、見えなくなるほどに、の意で、程度を示す。
四句「尾の上の風に」の「尾の上」は峰、山の高いところをいう。
結句「花の散るかな」は「かな」の詠嘆で結ばれる。杉の林が見えなくなるという誇張によって、散る花の量が示される。次の第百二十三首も「見えぬまで」の句を用いており、二首が同じ言い方で並べられている。
むらだち:群がって立っていること
をのへ:峰。山の高いところ
- 作者
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源経信
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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