木の下の苔の緑も見えぬまで
八重散り敷ける山桜かな
- 歌の意味
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木の下の苔の緑も見えなくなるほどに、幾重にも散り敷いている山桜であることだ。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 123
詞書「堀河院御時百首歌たてまつりけるに花歌」
前歌と同じく「見えぬまで」の句を用い、散り敷いた花の厚さを詠む。前歌が空を覆う花を詠んだのに対し、こちらは地に積もる花を詠み、上下で対をなす。詞書によれば堀河天皇の御代に詠進された百首歌のうちの花の歌である。巻第一の第十首
第十九首も同じ堀河百首の詠である。
作者の「大納言師頼」は源師頼(一〇六八〜一一三九)である。源俊房の子で、大納言に至った。
場面は桜の散るころ、場所は桜の木の下である。
直接の契機は百首歌の詠進である。
初句
二句「木の下の苔の緑も」は、木の下に生えた苔の緑、の意である。巻第一の第六十六首の良経歌が、染めても変わらない苔の緑を詠んだのに対し、この歌では緑そのものが花に覆い隠される。
三句「見えぬまで」は前歌と同じ句で、程度を示す。二首が同じ言い方を共有している。
四句「八重散り敷ける」の「八重」は幾重にも、の意で、「散り敷く」は散って地に敷きつめることをいう。「る」は完了
存続の助動詞の連体形である。
結句「山桜かな」は体言止めで、「かな」の詠嘆で結ばれる。第百三首と同じ結句である。
前歌が散る途中の花を、この歌が散り終えた花を詠み、二首で花の落ちる前後が押さえられている。
むら:群がっていること
やへ:幾重にも重なること
ちりしく:散って地に敷きつめる
- 作者
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源師頼
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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