春雨のそほ降る空のをやみせず
落つる涙に花ぞ散りける
- 歌の意味
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春雨がしとしとと降る空のように、絶え間なく落ちる涙とともに、花が散っていたのだった。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 119
詞書「題しらず」
春雨と涙と散る花を一首に重ねる。詞書は「題しらず」で、詠作の事情は伝わっていない。
作者の源重之は清和源氏の出で、三十六歌仙の一人である。巻第一では第二十八首に現れた。
場面は春雨の降るころ、場所は特定されない。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句
二句「春雨のそほ降る空の」の「そほ降る」はしとしとと降ることをいう。ここまでが下の「をやみせず」を導く序詞のように働き、雨の降り方が涙の落ち方に重ねられる。
三句「をやみせず」の「小止み」は少しのあいだ止むことで、それがない、すなわち絶え間がない、の意になる。雨と涙の両方に掛かる。
四句「落つる涙に」は、その絶え間なく落ちる涙とともに、の意である。「に」はここでは並行して起こることを示す。
結句「花ぞ散りける」は「ぞ」の係り結びで、第百十六首と同じ結句である。二首が並んで同じ結びを用いている。
雨
涙
花という三つの落ちるものが重ねられており、涙の理由は述べられない。散る花を見て泣くのか、別の悲しみがあるのかを定めずに置いている。
そほふる:しとしとと降る
をやみ:少しのあいだ止むこと
- 作者
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源重之
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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