山里の庭よりほかの道もがな
花散りぬやと人もこそ問へ
- 歌の意味
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山里の、庭を通るよりほかの道があってほしい。花はもう散ったかと人が尋ねてきては困るから。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 127
詞書は前の歌に続き「題しらず」
庭を通り道とされる山里の家で、花が散った後に人に問われるのを避けたいと詠む。原文では詞書が改めて記されていない。
作者の越前は後鳥羽院に仕えた女房歌人であるが、その伝は詳らかでない。巻第一では第二十四首に現れた。
場面は桜の散った後、場所は山里の家である。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句
二句「山里の庭よりほかの」は、山里の、庭を通るよりほかの、の意である。庭が通り道になっているという事情が前提に置かれる。
三句「道もがな」の「もがな」は願望を表す終助詞で、あってほしい、の意になる。
四句「花散りぬやと」は、花はもう散ったかと、の意である。「と」は引用で、人の問いを写している。
結句「人もこそ問へ」の「もこそ」は懸念を表す言い方で、〜すると困る、の意になる。「問へ」は已然形で、係り結びが完成する。
花が散った後に問われれば、散ったと答えなければならない。それを避けたいという、遠回りな惜しみ方である。第百二十五首が人の絶えた寂しさを詠んだのに対し、この歌は人が来ることを煩わしがっており、同じ状況を逆の側から扱っている。
もがな:願望を表す終助詞。〜があってほしい
もこそ:懸念を表す。〜すると困る
- 作者
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越前
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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