- 歌の意味
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逢坂で、梢の花を吹き散らすとすぐに、嵐そのものが霞んで見える。関の杉の群れ立つあたりで。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 129
詞書「関路花を」
詞書の「関路花」は、関所の道の花、の意である。前歌と同じ五十首歌のうちの一首で、原文では作者名が改めて記されておらず、前の歌と同じ作者が続くことを示している。
作者は前歌に続いて宮内卿である。
場面は桜の散るころ、場所は山城と近江の境にある逢坂の関である。巻第一の第十八首で後鳥羽院が「関路鴬」の題で詠んだのと同じ土地であり、題の立て方も対応している。
直接の契機は五十首歌の詠進である。
初句「逢坂や」は地名に詠嘆の間投助詞を添えた形で、場所を掲げて歌が始まる。
二句「梢の花を」で対象が示される。
三句「吹くからに」の「からに」は、〜するとすぐに、の意を表す。風が吹くことと霞むこととが、間を置かずに起こる。
四句「嵐ぞ霞む」の「ぞ」は係助詞で、「霞む」の連体形が結びとなる。霞むのは景色ではなく嵐そのものだという言い方であり、吹き上げられた花びらによって風の姿が白く見える、という理屈である。目に見えない風を、花びらを介して見えるものとして捉えている。前歌が水面の花びらから風を知ったのと同じ方法が、ここでは空中で用いられている。
結句「関の杉むら」は体言止めである。杉の濃い緑を背景に置くことで、白い花びらの舞う様子が際立つ。巻第一の第十八首で逢坂の杉の葉が雪で白くなると詠まれたのに対し、ここでは花で白く霞んでおり、同じ場所の同じ木が季節を進めて詠まれている。
あふさか:山城と近江の境にある坂。関が置かれた
からに:〜するとすぐに
すぎむら:杉の群れ立っているところ
- 作者
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宮内卿
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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