誘はれぬ人のためとや残りけん
明日よりさきの花の白雪
- 歌の意味
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誘われなかった者のためにとでもいうのか、残っていたのだろう。明日を待たずに散った、花の白雪よ。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 136
詞書「返し」
前歌への返歌である。散った花を雪と見よという求めを受けたうえで、その花が残っていたのは花見に誘われなかった自分のためだったのか、と応じる。
作者の「摂政太政大臣」は藤原良経である。関白藤原兼実の子で、『新古今和歌集』の仮名序を執筆した。巻第一では第一首
第二十三首
第六十一首
第六十二首
第六十六首に現れた。
場面は前歌と同じく桜の散るころである。
直接の契機は、後鳥羽院から花びらを添えた歌を贈られたことである。
初句「誘はれぬ人」は、誘われなかった人、すなわち花見に呼ばれなかった自分自身を指す。院が「忍びて」出かけたという詞書の事情を受けており、供に加えられなかったことへの軽い恨みが込められている。
二句「ためとや」の「や」は疑問の係助詞で、結句ではなく三句の「けん」に係る。
三句「残りけん」の「けん」は過去推量の助動詞で、残っていたのだろう、の意になる。届けられた花びらを、自分のために残されていたものと受け取る言い方である。
四句「明日よりさきの」は、明日を待たずに、の意である。
結句「花の白雪」は体言止めで、前歌の「雪かとも見よ」という求めをそのまま受け、花を白雪と呼んでいる。相手の言葉を用いて答えるのは贈答歌の作法であり、巻第一の第四十九首で大弐三位が定頼の語を受けて返したのと同じ型である。
さそふ:誘う。花見などに連れ立たせる
けむ:過去推量の助動詞。〜たのだろう
- 作者
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藤原良経
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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