- 歌の意味
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初瀬山の色褪せる花とともに春も暮れて、花と見分けがつかなかった雲だけが峰に残っている。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 157
詞書「百首歌たてまつりし時」
前歌と同じく、花が去った後に雲だけが残ることを詠む。詞書の「百首歌たてまつりし時」は正治二年の正治初度百首を指す。
作者の「摂政太政大臣」は藤原良経である。本巻では第百三十六首
第百四十七首に続く三度目の登場となる。
場面は春の終わり、場所は大和国の初瀬山である。長谷寺のある山で、桜の名所として知られた。
直接の契機は百首歌の詠進である。
初句「初瀬山」で場所を掲げる。本巻でくり返し現れた吉野に対し、ここでは別の名所が置かれている。
二句「移ろふ花に」の「移ろふ」は色が褪せる意で、第百三十七首
第百三十八首にも用いられた語である。「に」は、花とともに、の意で、下の「暮れて」に係る。
三句「春暮れて」は、花の色が褪せるのと歩調を合わせて春が終わる、の意である。花の終わりと季節の終わりが一つの動作で示される。
四句「まがひし雲ぞ」の「まがふ」は入り混じって見分けがつかなくなる意で、第百七首
第百三十二首にも用いられた語である。かつて花と紛らわしかった雲が、今は花がないために雲とわかる。
結句「峰に残れる」は前歌と同じ「残れる」で結ばれる。見分けのつかなさが解消されることによって、かえって花の不在が明らかになるという構成であり、本巻を通じて続いた雲と花の見立てが、ここで解かれている。
はつせやま:大和国の山。長谷寺のある地
うつろふ:色が褪せる
まがふ:入り混じって見分けがつかなくなる
- 作者
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藤原良経
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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