かくてこそ見まくほしけれ万代を
かけて匂へる藤波の花
- 歌の意味
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こうしていつまでも見ていたいものだ。万代をかけて咲き匂う藤波の花よ。
- 鑑賞
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巻第二 春歌下 163
詞書「飛香舎にて藤花宴侍りけるに」
ここから藤を主題とする一連が始まる。詞書の飛香舎は内裏の殿舎の一つで、庭に藤が植えられていたことから藤壺とも呼ばれた。そこで催された藤の花の宴で詠まれた歌である。
作者は「延喜御哥」とあり、延喜は醍醐天皇の御代の年号であるから、醍醐天皇の御製である。巻第一の第十四首
第六十八首の詞書にある「延喜御時」も同じ御代を指す。
場面は春の終わり、場所は内裏の飛香舎である。
直接の契機は藤の花の宴における詠出である。
初句「かくてこそ」は、こうして、このままで、の意である。「こそ」は係助詞で、結びは二句の「ほしけれ」の已然形である。
二句「見まくほしけれ」の「見まくほし」は見たい、の意で、上代からの語法である。「まく」は「む」に「く」が付いて名詞化した形で、本巻の第百十首の「散らまく」、第百六十四首の「立たまく」と同じ語法である。
三句
四句「万代をかけて匂へる」は、万代にわたって咲き匂っている、の意である。「かけて」は、その期間にわたって、の意で用いられる。宴の場にふさわしい賀の心が込められている。
結句「藤波の花」は体言止めである。「藤波」は藤の花房が波のように連なって垂れるさまをいう。散る花を惜しんできた一連の後に、長く続くものとして藤が置かれており、主題が転じている。
みまくほし:見たい。「まく」は名詞化する上代の語法
よろづよ:万代。きわめて長い年月
ふぢなみ:藤の花房が波のように連なって垂れるさま
- 作者
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醍醐天皇
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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