夏衣着ていく日にかなりぬらん
残れる花は今日も散りつつ
- 歌の意味
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夏衣を着てから幾日になったのだろう。残っていた花は今日もまた散り続けている。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 178
詞書「春を送りて昨日の今日といふことを」
更衣の三首目である。夏になってもなお花が散り続けているという、季節の境目の景を詠む。詞書の「春を送りて昨日の今日」は、春を送った昨日の続きである今日、の意で、その心を題として詠まれた。
作者の源道済(生年未詳〜一〇一九)は平安時代中期の歌人で、三十六歌仙の一人に数えられる。
場面は夏の初め、場所は特定されない。
直接の契機は与えられた題による詠である。
初句「夏衣」は前の二首の結句を、この歌では初句に置く形になっている。三首が同じ語を軸に並べられている。
二句「着ていく日にか」の「か」は疑問の係助詞で、三句の「らん」に係る。「着て」と「幾日」が続き、更衣からの日数が問われる。
三句「なりぬらん」の「ぬ」は完了、「らん」は現在推量である。日数を意識していなかったことが、この問いの形で示される。
四句「残れる花は」は、散り残っていた花は、の意である。巻第二の第百六十七首の道信歌が「散り残る花もやあると」と詠んだのと同じ観念である。
結句「今日も散りつつ」の「つつ」は継続を表し、言い切らずに結ぶ。夏に入ったのに花はまだ散り終わっていないという、季節の重なりが示される。巻第一が雪と春を同居させる歌を重ねたのと同じく、境目の景をそのまま示す型が、ここでは春と夏のあいだで用いられている。
いくか:幾日。何日
のこれる:散り残っている
- 作者
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源道済
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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