花散りし庭の木の葉も茂り合ひて
天照る月の影ぞまれなる
- 歌の意味
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花の散った庭の木の葉も茂り合って、空に照る月の光が差すことはまれになった。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 186
詞書「題しらず」
夏草の三首目である。花の後に葉が茂り、月の光を遮るようになったと詠む。詞書は「題しらず」で、詠作の事情は伝わっていない。
作者の曽禰好忠は平安時代中期の歌人である。丹後の掾を務めたことから曽丹と呼ばれた。巻第一では第七十七首に現れた。
場面は夏の初め、場所は作者の庭である。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句「花散りし」の「し」は過去の助動詞の連体形で、かつて花が散ったことを示す。同じ庭の春と夏が、一首の中でつながれている。
二句「庭の木の葉も」の「も」は、花に代わって葉までも、の含みである。
三句「茂り合ひて」は、互いに茂って重なり合う、の意である。花のあった場所が葉に置き換わったことが示される。
四句「天照る月の」は、空に照る月をいう。
結句「影ぞまれなる」は「ぞ」の係り結びで、「なる」の連体形が結びとなる。「影」は光の意である。巻第二の第百八十首では卯の花が月の光に見立てられたが、ここでは葉が月の光を遮っており、月と草木の関係が逆になっている。花の散った後に何が来るかを詠む点で、巻第二の第百四十七首
第百四十八首が空しい枝を詠んだのに続き、その枝が葉に覆われるまでが示される。
しげりあふ:互いに茂って重なり合う
あまてる:空に照る
まれなり:めったにない
- 作者
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曽禰好忠
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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