- 歌の意味
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五月の山、卯の花の咲く月夜、時鳥よ。いくら聞いても飽きない。また鳴いてくれないだろうか。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 193
詞書「題しらず」
時鳥の声を聞いてなお飽きないと詠む。詞書は「題しらず」で、詠作の事情は伝わっていない。
作者は「よみ人しらず」とあり、人名は伝わっていない。
場面は五月の月夜、場所は卯の花の咲く山である。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句
二句
三句「五月山卯の花月夜時鳥」は、体言を三つ並べただけの形である。山、月夜、鳥と、場面を構成する要素が助詞を用いずに畳みかけられており、上代の歌に見られる並列の作りである。
「卯の花月夜」は卯の花が咲き、月の照る夜をいう。花の白と月の光が重なる情景で、第百八十首の白河院歌が卯の花を月光に見立てたのと同じ取り合わせである。
四句「聞けどもあかず」の「あかず」は満ち足りない、の意である。巻第二で繰り返し用いられた語が、ここでは時鳥の声に用いられている。
結句「又鳴かんかも」の「かも」は詠嘆を含む終助詞で、また鳴いてくれないだろうか、という願いを表す。上代に多く用いられた形である。
要素を並べて場面を作り、最後に願いを置くという素朴な構成であり、技巧を凝らす当代の歌とは調子を異にする。
さつきやま:五月の山
うのはなづくよ:卯の花が咲き、月の照る夜
かも:詠嘆を含む終助詞
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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