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二声と鳴きつと聞かば時鳥
衣かたしきうたた寝はせん

歌の意味
二声と鳴いたと聞くならば、時鳥よ、衣を片敷いてうたた寝をしようものを。
鑑賞
巻第三 夏歌 197

詞書は前の歌に続き「題しらず」
 一声では足りないという心を、二声鳴けば眠ろうという形で詠む。第百九十五首の家持歌と同じ主題を、別の言い方で扱っている。原文では詞書が改めて記されていない。
 作者の「大納言経信」は源経信である。大納言に至り、和歌のほか漢詩
管絃にも通じた。巻第二では第百二十二首
第百四十八首に現れた。
 場面は夏の夜、場所は特定されない。
 詠まれた直接の契機は伝わらない。

 初句
二句「二声と鳴きつと聞かば」の「つ」は完了の助動詞、「ば」は仮定条件である。二声鳴いたと確かに聞けたならば、の意になる。一声では聞いた気がしないという含みが置かれる。
 三句「時鳥」で相手が示される。
 四句「衣かたしき」は、衣の片袖を敷いて寝ることをいう。二人であれば互いの袖を敷き交わすところを、片方だけ敷くので独り寝を意味する。恋の歌に多く用いられる語である。
 結句「うたた寝はせん」の「うたた寝」は本格的に床に入らずに眠ることで、「ん」は意志の助動詞である。声を待って起きているのだから、二声聞けたら安心して仮眠しようという理屈になる。
 第百九十五首が一声のために眠れないと述べたのに対し、この歌は二声あれば眠れると述べており、二首が同じ不足を裏表から扱っている。

かたしく:衣の片袖を敷いて独り寝する
うたたね:本格的に床に入らずに眠ること
作者
源経信
出典
新古今和歌集
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