- 歌の意味
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楝の咲く家の外の木陰に露が落ちて、五月雨の晴れる風が渡っていくようだ。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 234
詞書「百首歌たてまつりし時」
長雨がようやく晴れる場面を詠む。詞書によれば百首歌を詠進した折の一首である。
作者の「前大納言忠良」は藤原忠良(一一六四〜一二二五)である。藤原忠雅の子で、大納言に至った。第二百四十一首の作者でもある。
場面は五月雨の晴れ間、場所は家の外の木陰である。
直接の契機は百首歌の詠進である。
楝は栴檀の古名で、初夏に淡紫色の花をつける。
初句「楝咲く」で花が示される。夏の花として詠まれる木である。
二句「外面の木陰」の「外面」は家の外側をいう。屋内から外を見ている視点であることが、この語で示される。
三句「露落ちて」は、葉に溜まった水滴が落ちる、の意である。雨が止んだことが、直接には言われず、雫の落ちる音によって示される。
四句「五月雨晴るる」は、長雨が晴れる、の意である。
結句「風渡るなり」の「なり」は伝聞推定の助動詞で、音などによって判断していることを表す。風の渡る音を聞き取って、雨が上がったと知るのである。第二百二十七首から続いた長雨の一連が、ここで晴れに転じる。目に見えるものではなく、雫と風の音によって天候の変化を捉えている点に、この歌の作りがある。
あふち:栴檀の古名。初夏に淡紫色の花をつける
そとも:家の外側
なり:伝聞推定の助動詞
- 作者
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藤原忠良
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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