- 歌の意味
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夕暮は、どの雲の名残だといって、花橘に風が吹くのだろう。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 247
詞書「守覚法親王五十首歌よませ侍りける時」
花橘の一連を締めくくる歌である。香を運ぶ風の出どころを問う。詞書によれば守覚法親王が詠ませた五十首歌の一つである。守覚法親王は後白河天皇の皇子で、仁和寺の御室を務めた。巻第一の第三十八首
第四十首も同じ五十首の詠である。
作者の藤原定家は本巻では第二百三十二首
第二百三十五首に続く三度目の登場となる。
場面は花橘の咲くころの夕暮、場所は特定されない。
直接の契機は五十首歌の詠進である。
初句「夕暮は」で時刻が示される。第二百三十九首の通具歌も夕風の中で橘を詠んでおり、二首が同じ時刻を用いている。
二句「いづれの雲の」は、どの雲の、の意である。「か」ではなく「いづれ」を用いることで、選択肢のある問いになる。
三句「名残とて」の「名残」は後に残る気配や余韻をいい、巻第二の第百四十五首でも用いられた語である。「とて」は引用で、そういうつもりで、の意になる。
四句「花橘に」で対象が定まる。
結句「風の吹くらん」の「らん」は現在推量の助動詞である。風がどこかの雲の名残として吹き、その風が橘の香を運ぶ。前歌が若木に昔の香がある理由を問うたのに続き、この歌は風の出どころを問う。いずれも答えの出ない問いであり、香の由来をたどろうとして果たせないという点で、一連の締めくくりにふさわしい。
なごり:後に残る気配や余韻
とて:引用を表す。〜といって
- 作者
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藤原定家
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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