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窓近き竹の葉すさぶ風の音に
いとど短きうたた寝の夢

歌の意味
窓の近くの竹の葉を鳴らす風の音に、いっそう短くなる、うたた寝の夢よ。
鑑賞
巻第三 夏歌 256

詞書は前の歌に続き「百首歌たてまつりし時」
 ここから竹と涼しさを詠む歌に移る。この歌は竹の葉を鳴らす風の音に眠りが妨げられると詠む。原文では詞書が改めて記されていない。
 作者の式子内親王は後白河天皇の皇女で、賀茂斎院を務めた。本巻では第百八十二首
第二百十五首
第二百四十首に続く四度目の登場となる。
 場面は夏の夜、場所は窓の近くである。
 直接の契機は百首歌の詠進である。

 初句「窓近き」で場所が定まる。第二百三十三首の氏良歌でも窓が詠まれており、和歌には多くない語が本巻では二度現れる。
 二句「竹の葉すさぶ」の「すさぶ」は、勢いのままに任せて動く、荒れるさまをいう。風が竹の葉を鳴らす音が示される。
 三句「風の音に」の「に」は原因を表す。
 四句「いとど短き」の「いとど」は、いっそう、ますますの意である。夏の夜はもともと短いうえに、風の音でさらに眠りが妨げられる。第二百四十二首の慈円歌が「短き夜半のうたた寝」と詠んだのを受ける形になっている。
 結句「うたた寝の夢」は体言止めである。「うたた寝」は第百九十七首
第二百四十二首
第二百四十五首にも用いられた語で、本巻でくり返される。眠りが浅く途切れるという状態が、夏の夜の主題として繰り返し詠まれている。

すさぶ:勢いのままに任せて動く。荒れる
いとど:いっそう。ますます
うたたね:本格的に床に入らずに眠ること
作者
式子内親王
出典
新古今和歌集
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