よられつる野もせの草のかげろひて
涼しく曇る夕立の空
- 歌の意味
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暑さに萎れていた野一面の草が、日が陰って、涼しく曇る夕立の空よ。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 263
詞書は前の歌に続き「題しらず」
ここから夕立を主題とする一連が始まる。この歌は日が陰り、雨が来る直前の涼しさを詠む。原文では詞書も作者名も改めて記されておらず、前の歌と同じ作者が続くことを示している。
作者は前歌に続いて西行法師である。
場面は夏の夕方、場所は草の生い茂る野である。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句「よられつる」の「よる」は、萎れる、うなだれる意である。日中の暑さに草が萎れていた状態が示される。
二句「野もせの草の」の「野もせ」は野一面をいう。
三句「かげろひて」の「かげろふ」は、日が陰る意である。雲が日を遮ったことが、この一語で示される。
四句「涼しく曇る」で、その結果としての涼しさが述べられる。曇ることを涼しいと言い、天候の変化を体感で捉えている。
結句「夕立の空」は体言止めである。「夕立」は夏の夕方に急に降る雨をいう。雨はまだ降っておらず、その直前の空が詠まれている。前歌が清水と木陰による涼しさを詠んだのに対し、この歌は雲による涼しさを詠み、涼を得る手立てが替えられている。
よる:萎れる。うなだれる
のもせ:野一面
かげろふ:日が陰る
ゆふだち:夏の夕方に急に降る雨
- 作者
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西行法師
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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