- 歌の意味
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遠くのあたりでは夕立が降っているらしい。天の香具山が雲に隠れていく。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 266
詞書「雲隔遠望といへる心をよみ侍りける」
夕立の四首目である。詞書の「雲隔遠望」は、雲が遠望を隔てる、の意である。遠くの山が雲に隠れることから、そこに雨が降っていると推し量る。
作者の「源俊頼朝臣」は源俊頼である。大納言源経信の子で、『金葉和歌集』の撰者。歌論書『俊頼髄脳』を著した。巻第一では第四十三首に現れた。第百九十七首ほかの作者である源経信は父、第六首
第百四十二首の作者である俊恵法師は子にあたる。
場面は夏の夕方、場所は天の香具山を望むところである。
直接の契機は「雲隔遠望」の題による詠である。
初句「遠近には」の「遠近」は、遠いところと近いところ、また遠く隔たったところをいう。ここでは遠方を指す。
二句「夕立すらし」の「らし」は根拠に基づく推定の助動詞である。その根拠は下の句の雲隠れにある。巻頭の第百七十五首、第百九十六首と同じ推定の型が用いられている。
三句「久方の」は「天」に掛かる枕詞である。第二百五十四首の定家歌では「中なる河」を導いたが、ここでは本来の「天の香具山」に掛かる。
四句「天の香具山」は大和三山の一つである。巻頭の第百七十五首、巻第一の第二首でも詠まれており、季節の到来を告げる山としてくり返し現れてきた。
結句「雲隠れゆく」は、雲に隠れていく、の意である。見える徴から見えない事態を導く型は本集で繰り返されるが、この歌では山が見えなくなることそのものが徴となっている点に特色がある。
をちこち:遠いところと近いところ。また遠く隔たったところ
らし:根拠に基づく推定を表す助動詞
ひさかたの:「天」に掛かる枕詞
- 作者
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源俊頼
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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