- 歌の意味
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鳴く蝉の声さえ涼しく感じられる夕暮に、すでに秋を思わせている森の下露よ。
- 鑑賞
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巻第三 夏歌 271
詞書は前の歌に続き「百首歌たてまつりし時」
蝉と秋の二首目である。前歌が蝉の涙を下葉に及ぼしたのに対し、この歌は森の下露に秋を見る。原文では詞書が改めて記されていない。
作者の二条院讃岐は源頼政の娘で、二条天皇に仕えた。本巻では第二百三十七首に続く二度目の登場となる。第二百六十七首の作者である源頼政は父にあたる。
場面は夏の終わりの夕暮、場所は森である。
直接の契機は百首歌の詠進である。
初句「鳴く蝉の」は前歌と同じ語である。二首が同じ対象を詠み、並べて置かれている。
二句「声も涼しき」の「も」は、声までも、の含みである。音を涼しいと言うのは感覚の置き換えであり、第二百四十二首
第二百六十首でも同じ手法が用いられていた。
三句「夕暮に」で時刻が定まる。
四句「秋をかけたる」の「かく」は心に掛ける、また関わらせる意である。まだ夏でありながら秋に通じている、という状態を示す。
結句「森の下露」は体言止めである。前歌が下葉を、この歌が下露を結句近くに据えており、いずれも木の下という低い位置に秋の徴を求めている。露は秋の景物であるから、それが夏の森に置いていること自体が季節の先取りとなる。
かく:心に掛ける。また関わらせる
したつゆ:木の下に置く露
- 作者
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二条院讃岐
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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