いつも聞く麓の里と思へども
昨日に変はる山おろしの風
- 歌の意味
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いつも聞いている麓の里の風だと思うけれども、昨日とは変わっている、山おろしの風よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 288
詞書「文治六年女御入内屏風に」
秋風の四首目である。前歌と同じく、昨日との違いによって秋を知る。詞書によれば文治六年の女御入内の折の屏風歌である。巻第三の第二百八十首も同じ屏風の歌である。
作者の「後徳大寺左大臣」は藤原実定である。左大臣に至り、藤原俊成の甥、定家の従兄にあたる。巻第一では第三十五首、巻第二では第百四十一首、巻第三では第二百十九首に現れた。
場面は秋の初め、場所は山の麓の里である。
直接の契機は屏風歌としての詠進である。
初句
二句「いつも聞く麓の里と」は、いつも聞いている麓の里の音だと、の意である。聞き慣れているという前提が置かれる。
三句「思へども」の「ども」は逆接である。慣れているはずなのに、という転換がここで起こる。
四句「昨日に変はる」は前歌の「昨日にも似ぬ」と同じ観念である。二首が並べて置かれ、いずれも昨日との比較によって季節を判じている。
結句「山おろしの風」は体言止めである。「山おろし」は山から吹き下ろす風をいう。屏風に描かれた景に添える歌でありながら、絵には描けない風の音の違いを主題としている点に工夫がある。前歌が明け方の風、この歌が山おろしと、風の種類を替えて同じ主題が扱われている。
ふもと:山の下のほう
やまおろし:山から吹き下ろす風
- 作者
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藤原実定
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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