伏見山松の陰より見渡せば
明くる田の面に秋風ぞ吹く
- 歌の意味
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伏見山の松の陰から見渡すと、明けていく田の面に秋風が吹いている。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 291
詞書「百首歌たてまつりし時」
秋風の七首目である。夜明けの田を見渡す場面を詠む。詞書によれば百首歌を詠進した折の一首である。
作者の「皇太后宮大夫俊成」は藤原俊成である。『千載和歌集』の撰者で、定家の父にあたる。巻第一では第五首ほか、巻第二では第百首ほか、巻第三では第二百一首ほかに現れた。
場面は秋の初めの明け方、場所は山城国の伏見山(現在の京都市伏見区)である。
直接の契機は百首歌の詠進である。
初句「伏見山」で場所を掲げる。次の第二百九十二首も「伏見」を詠むが、そちらは大和国の伏見と解され、同音の別の地である。
二句「松の陰より」は、松の木陰から、の意である。前歌の松を受ける形になっている。
三句「見渡せば」は視野を大きく開く語で、巻第二の第三十六首の後鳥羽院歌の初句と同じである。
四句「明くる田の面に」の「田の面」は田の表面をいう。「明くる」は夜が明けていく意で、時間の進行が示される。
結句「秋風ぞ吹く」は「ぞ」の係り結びである。松の陰という暗い場所から、明けていく田を見渡すという構図であり、暗と明、狭い視野と広い視野が対をなす。巻第一の第三十五首が霞の切れ間から入日を見たのと同じく、限られた視点から広い景を捉える型である。
ふしみやま:山城国の山。現在の京都市伏見区
たのも:田の表面
- 作者
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藤原俊成
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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