- 歌の意味
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夜が明けたのだろうか。袖が寒い。菅原の、伏見の里の秋の初風よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 292
詞書「守覚法親王五十首歌よませ侍りける時」
秋風の八首目である。前歌と同じく明け方の風を詠む。詞書によれば守覚法親王が詠ませた五十首歌の一つである。守覚法親王は後白河天皇の皇子で、仁和寺の御室を務めた。巻第一の第三十八首
第四十首、巻第三の第二百四十七首も同じ五十首の詠である。
作者の家隆朝臣は藤原家隆である。本巻では第二百八十九首に続く二度目の登場となる。
場面は秋の初めの明け方、場所は菅原の伏見の里である。大和国添下郡の地とされ、前歌の山城国の伏見山とは別である。
直接の契機は五十首歌の詠進である。
初句「明けぬるか」の「か」は疑問の終助詞で、夜が明けたのだろうか、の意になる。まだ暗いうちに寒さで目が覚めた、という場面である。
二句「衣手寒し」の「衣手」は袖をいう。寒さを肌で感じることが、夜明けの判断より先に置かれている。前歌が視覚によって夜明けを捉えたのに対し、この歌は触覚によって捉える。
三句「菅原や」の「や」は詠嘆の間投助詞である。地名を掲げて場所を定める。
四句「伏見の里の」で場所がさらに絞られる。前歌と同じ「伏見」の名が続けて用いられており、二首が並べて置かれている。
結句「秋の初風」は体言止めである。「初風」はその年に初めて吹く秋風をいう。第二百九十五首
第二百九十六首でも用いられ、初秋の一連の結句として繰り返される。
ころもで:袖
すがはら:大和国の地名。その伏見の里が詠まれる
はつかぜ:その年に初めて吹く秋風
- 作者
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藤原家隆
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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