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敷妙の枕の上に過ぎぬなり
露を尋ぬる秋の初風

歌の意味
枕の上を過ぎていったようだ。露を尋ねてくる秋の初風が。
鑑賞
巻第四 秋歌上 295

詞書は前の歌に続き「千五百番歌合に」
 露の三首目である。秋風が露を求めて枕の上を過ぎたと詠み、袖の涙と結び付ける。原文では詞書が改めて記されていない。
 作者の源具親は源師光の子である。巻第一の第五十七首、巻第二の第百二十一首に現れた。巻第一の第四首
第七十六首の作者である宮内卿は妹にあたる。
 場面は秋の初めの夜または明け方、場所は寝所である。
 直接の契機は歌合への出詠である。

 初句「敷妙の」は「枕」に掛かる枕詞である。「敷妙」は寝具に用いる白い布をいい、そこから枕や衣に掛かる。
 二句「枕の上に」で場所が定まる。
 三句「過ぎぬなり」の「なり」は伝聞推定の助動詞で、音や気配によって判断していることを示す。姿の見えないものが通り過ぎたと知る形は、巻第三の時鳥の一連でくり返された型である。
 四句「露を尋ぬる」は、露を求めて訪ねる、の意である。風が露を尋ねるという擬人化であり、前歌の「袖の露」を受けて、枕の露、すなわち涙が想定される。
 結句「秋の初風」は第二百九十二首と同じ結句である。風が涙を探しに来るという理屈によって、秋の訪れが物思いの始まりとして示されている。

しきたへの:「枕」に掛かる枕詞
なり:伝聞推定の助動詞
たづぬ:求めて訪ねる
作者
源具親
出典
新古今和歌集
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