- 歌の意味
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昨日までは他所で人目を忍んでいた下荻の、その末葉の露に、秋風が吹いている。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 298
詞書「五十首歌たてまつりし時、秋歌」
露と秋風を詠む一連が続く。この歌は下のほうに隠れていた荻が、末葉に露を置いて風に吹かれるさまを詠む。詞書によれば五十首歌を詠進した折の秋の歌である。
作者の藤原雅経は飛鳥井雅経で、『新古今和歌集』の撰者の一人である。巻第一では第七十四首ほか、巻第二では第百四十五首、巻第三では第百八十四首に現れた。
場面は秋の初め、場所は荻の生えるあたりである。
直接の契機は五十首歌の詠進である。
初句「昨日まで」は第二百八十七首から第二百八十九首にも見えた語で、四首が昨日を軸に並べられている。
二句「外に忍びし」の「よそ」は自分と関わりのない場所、「忍ぶ」は人目を避ける意である。巻第三の第二百七十四首の俊恵歌が「忍びつつ吹きけるものを秋の夕風」と詠んだのと同じ言い方であり、そちらは風が身を隠していた。この歌では荻が隠れていたことになる。
三句「下荻の」の「下荻」は下のほうに生える荻をいう。低い位置に秋の徴を求める型は、巻第三の第二百七十首以来くり返されてきたものである。
四句「末葉の露に」の「末葉」は枝先の葉である。下に隠れていたものが、末葉に露を置くことで目に見える位置へ出てくる。
結句「秋風ぞ吹く」は「ぞ」の係り結びである。隠れていたものが現れるという構図で、第二百八十六首の荻の葉が風に片寄る景を承けている。
よそ:自分と関わりのない場所
したをぎ:下のほうに生える荻
すゑば:枝先の葉
- 作者
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藤原雅経
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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