夕暮は荻吹く風の音まさる
今はたいかに寝覚めせられん
- 歌の意味
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夕暮には荻を吹く風の音がまさってくる。今はまた、どのように寝覚めさせられることだろう。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 303
詞書「題しらず」
ここから荻を吹く風を詠む歌が続く。この歌は夕暮の風の音から、夜の寝覚めを予想する。詞書は「題しらず」で、詠作の事情は伝わっていない。
作者の「中務卿具平親王」は具平親王(九六四〜一〇〇九)である。村上天皇の第七皇子で、中務卿を務めた。漢詩文にも通じ、当代の文人として重んじられた。
場面は秋の初めの夕暮、場所は特定されない。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句「夕暮は」で時刻が示される。
二句「荻吹く風の」は荻を吹く風をいう。荻の葉は幅が広く、風に鳴る音が大きいことから、秋風の音を代表する草として詠まれる。第二百八十六首
第二百九十八首でも荻が詠まれていた。
三句「音まさる」は、音が強くなる、の意である。夕暮になって風が強まったことが示される。
四句「今はたいかに」の「はた」は、また、そのうえ、の意である。夕暮でこれほどなら、夜はどうなるのかという不安が示される。
結句「寝覚めせられん」の「られ」は自発の助動詞、「ん」は推量の助動詞である。自分の意志によらず目が覚めてしまうであろう、の意になる。まだ夜になっていない段階で夜中の寝覚めを予想する構成であり、巻第三の第百九十九首が待つ習慣を詠んだのと同じく、これから起こる自らの状態を先取りしている。
をぎ:秋に穂を出す草。葉が広く、風に鳴る音が大きい
はた:また。そのうえ
ねざめ:夜中に目が覚めること
- 作者
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具平親王
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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