荻の葉も契ありてや秋風の
音づれそむるつまとなりけん
- 歌の意味
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荻の葉も前世からの縁があってのことか、秋風が最初に訪れるきっかけとなったのだろう。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 305
詞書「崇徳院に百首歌たてまつりける時」
荻を吹く風の三首目である。なぜ秋風はまず荻を訪れるのかと問い、そこに縁を認める。詞書によれば崇徳院に詠進した百首歌の折の一首で、第三百一首と同じ久安百首の詠である。
作者の「皇太后宮大夫俊成」は藤原俊成である。本巻では第二百九十一首
第三百一首に続く三度目の登場となる。
場面は秋の初め、場所は荻の生えるあたりである。
直接の契機は百首歌の詠進である。
初句「荻の葉も」の「も」は、荻の葉までも、の含みである。数ある草木の中で荻が選ばれていることが問題とされる。
二句「契ありてや」の「契り」は前世からの因縁をいう。「や」は疑問の係助詞で、結句の「けん」に係る。仏教的な観念が、草木と風の関係に持ち込まれている。
三句
四句「秋風の音づれそむる」の「おとづる」は、音を立てる意と、訪れる意の両方をもつ。「そむ」は〜しはじめる意である。風が荻の葉を鳴らすことが、そのまま訪問として捉えられる。
結句「つまとなりけん」の「つま」は、きっかけ、糸口の意である。同時に「妻」の音を含み、二句の「契り」と響き合って、風と荻の関係を男女の縁になぞらえる読みを許す。「けん」は過去推量の助動詞である。
荻がなぜ秋風の草とされるのかという問いに、縁という答えを与える構成であり、第三百三首
第三百四首が荻の音に心を動かされる側から詠んだのに対し、この歌は荻と風の関係そのものを問うている。
ちぎり:前世からの因縁。約束
おとづる:音を立てる意と、訪れる意をもつ
つま:きっかけ。糸口
- 作者
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藤原俊成
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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