- 歌の意味
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雲の切れ間から星合の空を見渡すと、落ち着いた心もないさまで立っている天の川の波よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 317
詞書「七月七日、七夕祭りするところにてよみける」
七夕の五首目である。雲間から星の逢う空を見上げ、天の川の波を落ち着かないものと見る。詞書によれば七月七日に七夕祭りをする場所で詠まれた歌である。
作者の「祭主輔親」は大中臣輔親(九五四〜一〇三八)である。伊勢神宮の祭主を務めた。巻第三の第百九十六首の作者である大中臣能宣は父にあたり、巻第三の第二百二十七首の作者である伊勢大輔は娘である。巻第七の第七百四十八首にも歌が採られている。
場面は七月七日の夜、場所は七夕祭りの行われる場である。
直接の契機は七夕祭りの場での詠出である。
初句「雲間より」は、雲の切れ間から、の意である。巻第三の第二百三十三首の氏良歌が「雲の絶え間を眺めつつ」と月を待ったのと同じ構図であり、狭い隙間から空を見る型がここでも用いられている。
二句「星合の空を」で対象が示される。第三百十五首
第三百十六首に続いて「星合」の語が用いられ、三首が並ぶ。
三句「見渡せば」で視野が開く。第二百九十一首の俊成歌でも用いられた句である。
四句「しづ心なき」の「しづ心」は落ち着いた心をいう。波が静まらないさまを、心が落ち着かないと言い換えている。
結句「天の河波」は体言止めである。年に一度の逢瀬を前にした心の高ぶりが、川波の動きに託されている。前の二首が水面に空を映したのに対し、この歌は天の川そのものを水として見ており、天上の川に地上の水の性質が与えられている。
くもま:雲の切れ間
しづごころ:落ち着いた心
さいしゅ:伊勢神宮の祭祀を統べる職
- 作者
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大中臣輔親
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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