- 歌の意味
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七夕の衣の褄は、気をつけて吹き返してくれるな、秋の初風よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 319
詞書は前の歌に続き「七夕歌」
織女の衣の二首目である。前歌が衣を重ねて寝る夜の風を詠んだのに対し、この歌はその風に衣を乱すなと命じる。原文では詞書が改めて記されていない。
作者の小弁は平安時代後期の女房歌人である。生没年は伝わらない。
場面は七月七日の夜、場所は天上である。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句「七夕の」は前歌と同じ初句で、織女を指す。
二句「衣のつまは」の「つま」は衣の褄、すなわち裾の端をいう。同時に連れ合いの意が響き、第三百五首の俊成歌でも用いられた掛かり方である。衣の端を吹き返すなという表向きの意の下に、二人を隔てるなという意が含まれる。
三句「心して」は、気をつけて、の意である。
四句「吹きな返しそ」の「な〜そ」は禁止を表す言い方である。巻第二の第百十首の赤人歌が春雨に降るなと命じ、巻第三の第二百一首の俊成歌が時鳥に涙を添えるなと命じたのと同じ、自然に対する効き目のない命令である。
結句「秋の初風」は体言止めで、命令の相手が最後に置かれる倒置である。本巻でこの結句は六度目となる。第二百八十五首以来の秋風が、ここでは天上の逢瀬を妨げかねないものとして現れている。
つま:衣の褄。裾の端。連れ合いの意を響かせる
こころす:気をつける
な〜そ:禁止を表す言い方。〜するな
- 作者
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小弁
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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