- 歌の意味
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七夕の、渡し場を渡る舟の梶、その梶の葉に、いくつの秋を書きつけてきたことか。露の玉章を。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 320
詞書は前の歌に続き「七夕歌」
七夕の八首目である。梶の葉に歌を書く習わしを詠み、その葉に重ねてきた年月を問う。原文では詞書が改めて記されていない。
作者の「皇太后宮大夫俊成」は藤原俊成である。本巻では第二百九十一首
第三百一首
第三百五首に続く四度目の登場となる。
場面は七月七日の夜、場所は特定されない。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
七夕には梶の葉に歌を書いて手向ける習わしがあり、この歌はそれを踏まえる。
初句「七夕の」で織女が示される。
二句「門渡る舟の」は第三百十四首の赤人歌と同じ語である。二首が同じ渡し場の舟を詠み、この巻の七夕の一連を結んでいる。
三句「かぢの葉に」の「かぢ」は舟の梶であると同時に、梶の木の葉をいう。舟の縁語から葉へ移る掛かり方で、天上の舟と地上の習わしがこの一語で結ばれる。
四句「いく秋書きつ」は、いくつの秋を書きつけてきたか、の意である。「つ」は完了の助動詞で、毎年書いてきたことが示される。
結句「露の玉章」は体言止めである。「玉章」は手紙をいい、「玉」は美称である。葉に置く露を、そのまま書き記した文字と見立てている。第二百九十四首以来この巻でくり返されてきた露が、ここでは文字として現れており、扱いが転じている。
かぢ:舟の梶。また梶の木。七夕に葉へ歌を書く習わしがあった
たまづさ:手紙。「玉」は美称
- 作者
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藤原俊成
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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