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星合の夕べ涼しき天の河
紅葉の橋を渡る秋風

歌の意味
星合の夕べの涼しい天の川で、紅葉の橋を渡っていく秋風よ。
鑑賞
巻第四 秋歌上 323

詞書「七夕の心を」
 七夕の十一首目である。天の川に架かる橋を紅葉のものとし、そこを風が渡ると詠む。詞書によれば七夕の心を題として詠まれた。
 作者の「権中納言公経」は西園寺公経である。のちに太政大臣に至り、鎌倉幕府との縁により大きな権勢を得た。巻第一では第七十二首、巻第二では第百五十六首、巻第三では第二百十六首
第二百六十五首に現れた。
 場面は七月七日の夕べ、場所は天上である。
 直接の契機は「七夕」の題による詠である。
 天の川には鵲が翼を並べて橋を作るという言い伝えがあり、この歌はその橋を紅葉に置き換えている。

 初句「星合の」は第三百十五首以来くり返される語である。
 二句「夕べ涼しき」は第三百二十一首の「衣手涼し」と同じく、七夕の夕べを涼しさで捉える。
 三句「天の河」で場所が定まる。
 四句「紅葉の橋を」は、紅葉が架け渡す橋、の意である。七夕は秋の初めの行事であり、紅葉はまだ早いはずであるから、この橋は実景ではなく想像による。天上のことであるから季節の順序が地上と異なってもよい、という理屈が働いている。
 結句「渡る秋風」は体言止めである。橋を渡るのは星ではなく風である。逢瀬のために架けられた橋を、風だけが通っていくという構成で、逢瀬そのものは描かれない。第三百十九首
第三百二十二首に続いて、この一連では風が主役として現れている。

ほしあひ:二つの星が逢うこと。七夕
もみぢのはし:紅葉が架け渡す橋。鵲の橋に代えていう
作者
藤原公経
出典
新古今和歌集
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