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七夕の逢ふ瀬絶えせぬ天の河
いかなる秋か渡りそめけん

歌の意味
七夕の逢瀬が絶えることのない天の川を、いったいどんな秋に渡りはじめたのだろう。
鑑賞
巻第四 秋歌上 324

詞書は前の歌に続き「七夕の心を」
 七夕の十二首目である。星の逢瀬の始まりがいつであったかを問う。原文では詞書が改めて記されていない。
 作者の待賢門院堀河は鳥羽天皇の中宮である待賢門院璋子に仕えた女房歌人である。生没年は伝わらない。巻第一の第四首の解説で触れた「雪深き岩のかけ道跡たゆる」の作者でもある。
 場面は七月七日、場所は天上である。
 直接の契機は「七夕」の題による詠である。

 初句「七夕の」で織女が示される。
 二句「逢ふ瀬絶えせぬ」の「逢ふ瀬」は逢う機会をいい、「瀬」は川の浅瀬であるから、天の川の縁語ともなる。「絶えせぬ」は途切れない、の意である。
 三句「天の河」で場所が定まる。
 四句「いかなる秋か」の「か」は疑問の係助詞で、結句の「けん」に係る。どのような秋に、と始まりの年を問う形である。
 結句「渡りそめけん」の「そむ」は〜しはじめる意、「けん」は過去推量の助動詞である。答えの出ない問いを残して結ぶ。巻第二の第九十六首の通具歌が「誰植ゑて」と桜の由来を問い、巻第三の第百八十三首の小侍従歌が葵の二葉を不審としたのと同じく、事の起こりを問う型である。行事の由来そのものへ遡ろうとする点で、この一連の中では異色である。

あふせ:逢う機会。「瀬」は川の浅瀬で、川の縁語
そむ:〜しはじめる
けむ:過去推量の助動詞。〜たのだろう
作者
待賢門院堀河
出典
新古今和歌集
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