わくらばに天の河波よるながら
明くる空には任せずもがな
- 歌の意味
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たまたま天の川の波が寄せて逢う夜でありながら、明けていく空には任せずにいたいものだ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 325
詞書は前の歌に続き「七夕の心を」
七夕の十三首目である。年に一度の夜が明けてしまうことを惜しむ。原文では詞書が改めて記されていない。
作者の「女御徽子女王」は徽子女王(九二九〜九八五)である。醍醐天皇の皇子である重明親王の娘で、伊勢斎宮を務めた後、村上天皇の女御となった。斎宮女御と呼ばれ、琴の名手としても知られた。
場面は七月七日の夜明け近く、場所は天上である。
直接の契機は「七夕」の題による詠である。
初句「わくらばに」は、たまたま、まれに、の意である。年に一度という稀さが最初に置かれる。
二句「天の河波」で場所が示される。第三百十七首の輔親歌でも「天の河波」と詠まれていた。
三句「よるながら」の「よる」は波が寄せる意と、夜の意とを兼ねる。波が寄せることと、逢瀬の夜であることとが一語に収められており、川の縁語が時間の語を兼ねている。「ながら」は逆接である。
四句「明くる空には」は、明けていく空には、の意である。夜が明ければ別れなければならない。
結句「任せずもがな」の「もがな」は願望を表す終助詞で、任せずにいたいものだ、の意になる。空の運行に逆らいたいという、叶うはずのない願いであり、巻第二の第百七十二首が過ぎる春を引きとめられないと知りつつ惜しんだのと同じ構えである。
わくらばに:たまたま。まれに
よる:波が寄せる意と、夜の意を兼ねる
もがな:願望を表す終助詞。〜であってほしい
- 作者
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徽子女王
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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