河水に鹿のしがらみかけてけり
浮きて流れぬ秋萩の花
- 歌の意味
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河の水に鹿がしがらみを掛けたのだった。浮いたまま流れていかない、秋萩の花よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 328
詞書「堀河院御時百首歌中に萩をよみ侍りける」
ここから萩を主題とする一連が始まる。この歌は川面に浮いて流れない萩の花を、鹿が掛けたしがらみに見立てる。詞書によれば堀河天皇の御代に詠進された百首歌のうち、萩を詠んだ一首である。巻第一の第十首
第十九首、巻第二の第百二十三首
第百六十首も同じ堀河百首の詠である。
作者の「前中納言匡房」は大江匡房である。学者の家に生まれ、権中納言に至った。巻第三では第二百首
第二百二十九首に現れた。
場面は秋、場所は萩の生えた川のほとりである。
直接の契機は百首歌の詠進である。
萩は鹿と取り合わせて詠まれることが多く、鹿の妻とする言い方もあった。
初句「河水に」で場所が示される。
二句「鹿のしがらみ」の「しがらみ」は、杭を打ち柴を絡ませて水をせき止める仕掛けをいう。萩が水面に留まっているのを、鹿がそれを作ったものと見立てている。
三句「かけてけり」の「けり」は詠嘆で、掛けたのだなという気づきを表す。
四句「浮きて流れぬ」は、浮いたまま流れない、の意である。しがらみに堰かれているという理屈が、ここで示される。
結句「秋萩の花」は体言止めである。実際には花が水面に溜まっているだけであり、そこに鹿という作り手を想定するところに趣向がある。萩と鹿を結び付ける歌の約束を、水の仕掛けという形で用いており、巻第一の第七十一首の崇徳院歌が波に柳を織らせたのと同じく、自然に人の業を当てはめる型である。
しがらみ:杭を打ち柴を絡ませて水をせき止める仕掛け
あきはぎ:秋に咲く萩。鹿と取り合わせて詠まれる
- 作者
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大江匡房
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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