- 歌の意味
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萩の花を両袖に掛けて、高圓の尾上の宮で領巾を振っているのは誰だろう。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 331
詞書「守覚法親王五十首歌よませ侍りけるに」
萩の四首目である。萩の花を袖に掛けた人影を、古い宮の跡に見る。詞書によれば守覚法親王が詠ませた五十首歌の一つである。巻第一の第三十八首
第四十首、巻第三の第二百四十七首、本巻の第二百九十二首も同じ五十首の詠である。
作者の顕昭法師は六条藤家に属した歌学者である。藤原顕輔の養子となり、『袖中抄』などの注釈書を著した。本巻では第二百九十六首に続く二度目の登場となる。
場面は秋、場所は大和国の高圓(現在の奈良市の東方)である。古く離宮が置かれた地で、『万葉集』にも詠まれた。
直接の契機は五十首歌の詠進である。
領巾は女性が肩にかけた細長い布で、別れの折に振って合図とした。
初句「萩が花」の「が」は連体を示す古い格助詞である。
二句「ま袖にかけて」の「ま袖」は両方の袖をいう。「ま」は接頭語である。萩の花を袖に掛けるのは、花を身に着ける行為であり、巻第二の第百四首
第百五十一首の「かざす」と同じ系列にある。
三句「高圓の」で場所が定まる。
四句「尾上の宮に」の「尾上」は峰、山の高いところをいう。かつての離宮を指す。
結句「領巾振るや誰」の「や」は疑問の係助詞で、誰かと問う形で結ぶ。今は人のいないはずの宮の跡に人影を見るという構成であり、古い時代の景を目の前に呼び戻している。歌学者らしく、『万葉集』の世界を再現する趣向が働いている。
ますで:両方の袖。「ま」は接頭語
たかまと:大和国の地名。現在の奈良市の東方。古く離宮が置かれた
ひれ:女性が肩にかけた細長い布。別れの折に振って合図とした
- 作者
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顕昭法師
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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