- 歌の意味
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置く露も落ち着く間がなく、秋風に乱れて咲いている、真野の萩原よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 332
詞書「題しらず」
萩の五首目である。風に乱れる萩と、そこに落ち着かず置く露とを詠む。詞書は「題しらず」で、詠作の事情は伝わっていない。
作者の祐子内親王家紀伊は、後朱雀天皇の皇女である祐子内親王に仕えた女房歌人である。生没年は伝わらない。巻第二の第百三首
巻第三の第五十六首の詞書に見える祐子内親王がその主である。
場面は秋、場所は近江国の歌枕である真野(現在の大津市真野)である。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句「置く露も」の「も」は、露までも、の含みである。花だけでなく露も落ち着かないことになる。
二句「しづ心なく」の「しづ心」は落ち着いた心をいう。第三百十七首の輔親歌でも天の河の波について用いられた語であり、そちらは逢瀬を待つ心を波に託していた。ここでは露に託されている。
三句「秋風に」で原因が示される。
四句「乱れて咲ける」は、乱れながら咲いている、の意である。「乱る」は第三百十首の大弐三位歌でも露について用いられた語である。
結句「真野の萩原」は体言止めである。「萩原」は萩の生い茂る一帯をいう。風、花、露の三つがいずれも定まらないものとして重ねられ、落ち着かなさが一首を貫いている。
しづごころ:落ち着いた心
はぎはら:萩の生い茂る一帯
まの:近江国の歌枕。現在の大津市真野
- 作者
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祐子内親王家紀伊
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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