誰をかもまつちの山の女郎花
秋と契れる人ぞあるらし
- 歌の意味
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誰を待つというのか、まつちの山の女郎花よ。秋に逢おうと約束した人がいるらしい。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 336
詞書は前の歌に続き「題しらず」
ここから女郎花を主題とする一連が始まる。女郎花を女性に見立て、誰かを待っているとする。原文では詞書が改めて記されていない。
作者の小野小町は平安時代前期の歌人である。六歌仙
三十六歌仙の一人に数えられる。本巻では第三百十二首に続く二度目の登場となる。
場面は秋、場所は大和国と紀伊国の境にある待乳山である。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
女郎花はその名から女性に見立てて詠まれることが多く、恋の歌の趣向を秋の歌に持ち込む素材となった。
初句「誰をかも」の「か」は疑問の係助詞である。誰を、と問う形で歌が始まる。
二句「まつちの山の」の「まつち」は地名であるが、その音に「待つ」が響く。初句の「誰を」を受けて、誰を待つのか、という意が地名の中に折り込まれる。
三句「女郎花」で対象が示される。
四句「秋と契れる」は、秋に逢おうと約束した、の意である。「契る」は約束する意で、第三百五首の俊成歌でも用いられた語である。
結句「人ぞあるらし」の「らし」は根拠に基づく推定の助動詞である。その根拠は、花が待つように咲いているという見え方である。花を人に見立て、その振る舞いから事情を推し量る構成であり、以下の女郎花の一連はこの見立てを前提として展開する。
まつち:大和国と紀伊国の境にある山。「待つ」の音を響かせる
をみなへし:秋に咲く草。その名から女性に見立てて詠まれる
らし:根拠に基づく推定を表す助動詞
- 作者
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小野小町
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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