- 歌の意味
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藤袴の主は誰とも知らない、その白露がこぼれて匂う、野辺の秋風よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 339
詞書「蘭をよめる」
ここから藤袴を詠む。詞書の「蘭」は藤袴のことで、秋の七草の一つである。名が衣に由来するため、その持ち主を問う趣向が生まれる。
作者の公猷法師は平安時代後期から鎌倉時代初期にかけての僧である。伝は詳らかでない。
場面は秋、場所は藤袴の咲く野辺である。
直接の契機は「蘭」の題による詠である。
初句「藤袴」で対象を掲げる。名に「袴」を含むため、衣として扱うことができる。
二句「主は誰とも」は、その持ち主は誰とも、の意である。衣であれば主がいるはずだという理屈から問いが生じる。巻第二の第九十六首の通具歌が桜を誰が植えたかと問うたのと同じ、持ち主を問う型である。
三句「しらつゆの」の「しら」は「知らず」の「知ら」と、「白露」の「白」とを兼ねる。上の「誰とも」を受ければ知らず、下の「こぼれて」を受ければ白露となり、一語が上下の両方に働く。
四句「こぼれて匂ふ」は、露がこぼれて花が匂う、の意である。「匂ふ」は香りが立つ意である。
結句「野辺の秋風」は体言止めである。持ち主のわからない衣が野に落ちているという見立てのうえに、香と風が置かれており、名からの連想だけで一首が組み立てられている。
ふぢばかま:秋の七草の一つ。蘭ともいう
しらつゆ:「知らず」の「知ら」と「白露」の「白」を兼ねる
にほふ:香りが立つ
- 作者
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公猷法師
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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