山賤の垣ほに咲ける朝顔は
しののめならで逢ふよしもなし
- 歌の意味
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山賤の垣根に咲いている朝顔は、明け方でなければ逢う手立てもない。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 344
詞書は前の歌に続き「題しらず」
朝顔の二首目である。朝顔に逢えるのは明け方だけだと詠み、恋の語を用いて花との対面を述べる。原文では詞書が改めて記されていない。
作者の紀貫之は『古今和歌集』の撰者で、その仮名序を執筆した。本巻では第三百十三首
第三百二十七首に続く三度目の登場となる。
場面は秋の明け方、場所は山里の垣根である。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句「山賤の」の「山賤」は山に住む身分の低い者をいう。粗末な住まいが示される。
二句「垣ほに咲ける」の「垣ほ」は垣根をいう。巻第一の第四十二首の敦家歌が「垣根の梅」を詠んだのと同じく、他人の家の垣に咲く花である。
三句「朝顔は」で対象が定まる。
四句「しののめならで」の「しののめ」は明け方をいう。「で」は打消の接続助詞である。朝顔は朝しか咲かないから、逢える時刻が限られる。
結句「逢ふよしもなし」の「逢ふ」は恋の歌の語である。「よし」は手立て、方法をいう。花との対面を、時刻の限られた逢瀬として述べており、前歌がはかなさを競ったのに対し、この歌は時刻の制約を主題としている。
やまがつ:山に住む身分の低い者
かきほ:垣根
しののめ:明け方
よし:手立て。方法
- 作者
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紀貫之
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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