秋はただ物をこそ思へ露かかる
荻の上吹く風につけても
- 歌の意味
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秋はただ物思いをするばかりだ。露のかかる荻の上を吹く風につけても。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 354
詞書「秋歌よみ侍りけるに」
荻の上葉の三首目である。前の二首を承け、秋はただ物思いをするばかりだと言い切る。詞書によれば秋の歌として詠まれた。
作者の源重之女は源重之の娘である。生没年は伝わらない。巻第一の第二十八首
巻第二の第百十九首の作者である源重之は父にあたる。
場面は秋、場所は荻の生えるあたりである。
直接の契機は秋の歌としての詠出である。
初句「秋はただ」は、秋というものはただ、の意である。第二百九十七首の越前歌も「秋はただ」で始まっており、二首が同じ言い方で秋を定義する形をとる。
二句「物をこそ思へ」は「こそ」の係り結びで、「思へ」は已然形である。物思いをするばかりだ、という断定になる。
三句「露かかる」は、露がかかっている、の意である。
四句「荻の上吹く」で場所が定まる。前の二首と同じく荻の葉の上が詠まれ、三首が語を共有している。
結句「風につけても」の「につけても」は、〜に関しても、の意である。何を見ても聞いても物思いに帰するという言い方であり、第二百九十九首の西行歌が「物を思はぬ人にさへ心をつくる」と述べたのと同じ、秋風と物思いの結び付きを、当事者の側から言い切っている。
ものをおもふ:思い悩む。物思いにふける
につけても:〜に関しても。〜に触れるたびにも
- 作者
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源重之女
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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