秋風のややはだ寒く吹くなへに
荻のうは葉の音ぞ悲しき
- 歌の意味
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秋風がいくらか肌寒く吹くとともに、荻の上葉の音が悲しく聞こえる。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 355
詞書「堀河院に百首歌たてまつりける時」
荻の上葉の四首目である。風の寒さと葉の音とを同時に受け取り、その音を悲しいと述べる。詞書によれば堀河天皇に詠進した百首歌の折の一首である。巻第一の第十首
第十九首、本巻の第三百二十八首も同じ堀河百首の詠である。
作者の藤原基俊(一〇六〇〜一一四二)は平安時代後期の歌人で、藤原俊成の和歌の師にあたる。巻第三では第二百三十首に現れた。
場面は秋、場所は荻の生えるあたりである。
直接の契機は百首歌の詠進である。
初句「秋風の」で主語が示される。
二句「ややはだ寒く」は、いくらか肌に寒く、の意である。第三百十一首の好忠歌でも「ややはだ寒し」と用いられており、二首が同じ語を共有している。
三句「吹くなへに」の「なへに」は、〜すると同時に、の意を表す。風の寒さと葉の音とが同時に起こることが示される。
四句「荻のうは葉の」は第三百五十二首
第三百五十三首と同じ語である。四首が同じ語を共有し、荻の一連をなしている。
結句「音ぞ悲しき」は「ぞ」の係り結びである。音そのものを悲しいと断じており、理由は述べられない。第三百四首の実定歌の「ことぞともなく」、第三百五十二首の慈円歌の「このころ悲し」と同じく、理由を欠いた感情が秋の主題として繰り返されている。
ややはだざむし:いくらか肌に寒い
なへに:〜すると同時に
うはば:葉の上のほう
- 作者
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藤原基俊
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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