おしなべて思ひしことの数々に
なほ色まさる秋の夕暮
- 歌の意味
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総じてこれまで思ってきたことの数々にも増して、なお色を深めていく秋の夕暮よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 357
詞書は前の歌に続き「百首歌たてまつりし時」
ここから「秋の夕暮」を結句とする歌が続く。この歌はその一首目である。原文では詞書も作者名も改めて記されておらず、前の歌と同じ作者が続くことを示している。
作者は前歌に続いて藤原良経である。
場面は秋の夕暮、場所は特定されない。
直接の契機は百首歌の詠進である。
「秋の夕暮」を結句とする歌は、以下第三百五十八首から第三百六十七首まで断続的に続き、なかでも第三百六十一首から第三百六十三首の三首は三夕の歌として広く知られる。
初句「おしなべて」は、総じて、一様に、の意である。第二百九十九首の西行歌でも用いられた語である。
二句「思ひしことの」は、これまで思ってきたこと、の意である。「し」は過去の助動詞の連体形である。
三句「数々に」は、その数々に対して、の意である。積み重ねてきた物思いが量として示される。
四句「なほ色まさる」の「色まさる」は色が濃くなる意で、巻第一の第六十八首の躬恒歌でも用いられた語である。ここでは物思いの深まりを色の濃さで表している。
結句「秋の夕暮」は体言止めである。これまでの物思いの総量よりも、なおこの一時のほうが深いという言い方であり、以下に続く「秋の夕暮」の歌の入口として、夕暮そのものの重さを示している。
おしなべて:総じて。一様に
かずかず:数の多いこと
いろまさる:色が濃くなる
- 作者
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藤原良経
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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