大荒木の森の木の間をもりかねて
人たのめなる秋の夜の月
- 歌の意味
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大荒木の森の木の間を漏れきることができずに、それでも人に期待を持たせる、秋の夜の月よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 375
詞書「五十首歌たてまつりし時、杜間月といふことを」
ここから月を主題とする歌に移る。詞書の「杜間月」は、森の間の月、の意である。木々に遮られてわずかしか漏れない月光を詠む。
作者の「皇太后宮大夫俊成女」は藤原俊成の孫で、その養女となった女性である。巻第一では第四十七首、巻第二では第百十二首ほか、巻第三では第百七十九首ほかに現れた。本巻ではこれが初めての登場である。
場面は秋の夜、場所は大荒木の森である。山城国の歌枕とされる。
直接の契機は「杜間月」の題による詠である。
初句「大荒木の」で場所を掲げる。名に「荒れ」を含み、荒涼とした森の連想を伴う。
二句「森の木の間を」の「木の間」は木と木との隙間をいう。巻第二の第九十四首の雅経歌でも用いられた語である。
三句「もりかねて」の「もり」は、光が漏る意と、地名の森とを兼ねる。「かぬ」は〜しきれない、の意を添え、漏れきらないことを表す。
四句「人たのめなる」は、人に期待を持たせる、の意である。わずかに漏れる光が、これから明るくなるかと思わせることになる。
結句「秋の夜の月」は体言止めである。月に人を欺くような働きを認める点に趣向があり、次の第三百七十六首も同じ語を用いて稲妻を扱っており、二首が並べて置かれている。
おほあらきのもり:山城国の歌枕とされる森
もり:光が漏る意と、地名の森を兼ねる
ひとだのめ:人に期待を持たせること
- 作者
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藤原俊成女
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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