- 歌の意味
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有明の月を待つ宿の袖の上に、期待を持たせるように光る、宵の稲妻よ。
- 鑑賞
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巻第四 秋歌上 376
詞書「守覚法親王五十首歌よませ侍りけるに」
前歌の「人たのめなる」を受け、稲妻の光を詠む。詞書によれば守覚法親王が詠ませた五十首歌の一つである。巻第一の第三十八首
第四十首、巻第三の第二百四十七首、本巻の第二百九十二首
第三百三十一首も同じ五十首の詠である。
作者の藤原家隆は『新古今和歌集』の撰者の一人である。本巻では第二百八十九首
第二百九十二首に続く三度目の登場となる。
場面は秋の宵、場所は月を待つ家である。
直接の契機は五十首歌の詠進である。
なお本文の二句には「は」を「の」とする異同の注記が添えられているが、読み仮名の行に従って「宿の」と扱う。
初句
二句「有明の月まつ宿の」は、夜明け近くに出る月を待つ家、の意である。有明の月は本巻の第三百九首の解説でも触れたとおり、巻第三でくり返された語である。
三句「袖の上に」で場所が絞られる。袖に置く露は涙であるから、待つ者の涙の上に光が差すことになる。
四句「人たのめなる」は前歌と同じ語である。二首が同じ語を共有し、そちらは月、こちらは稲妻に用いられている。
結句「宵の稲妻」は体言止めである。稲妻は一瞬で消える光であるから、待っている月かと思わせておいて消える。期待させて裏切るものとして、月よりもさらに極端な例が置かれている。次の第三百七十七首も稲妻を詠み、三首が続く。
ありあけ:夜が明けてもなお空に残る月
ひとだのめ:人に期待を持たせること
いなづま:稲妻。一瞬で消える光
- 作者
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藤原家隆
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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